税理士紹介Q&A

増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

[平成21年4月1日現在法令等]


1 概要

 住宅借入金等特別控除とは、居住者が住宅ローン等を利用してマイホームを新築、取得又は増改築等をし、平成25年12月31日までに居住の用に供 した場合で一定の要件に当てはまるときに、その増改築等のための住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の 各年分の所得税額から控除するものです。
なお、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事を含む増改築等をした場合で、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けられる場合の要件にも該当する方は、 選択により、この住宅借入金等特別控除に代えて特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けることができます。
また、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事について住宅特定改修特別税額控除の適用要件にも該当している方は、これらの控除のいずれか一つの選択適用となります。


2 住宅借入金等特別控除の適用要件

 居住者が増改築等をした場合で、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次のすべての要件に該当するときです。


  • (1) 自己が所有し、かつ、自己の居住の用に供する家屋について行った増改築等であること。
    (注)平成20年以前に増改築等を行い居住の用に供している場合は、自己が所有し、かつ、自己が居住の用に供している家屋について行った増改築等に限られていました。
    平成21年度税制改正により、自己の所有している家屋に増改築等をして、平成21年1月1日以後に居住の用に供した場合(その増改築等の日から6か月以内に居住の用に供した場合に限ります。)にもこの特別控除の対象とされました。
  • (2) 次のいずれかの工事に該当するものであることにつき証明がされた工事であること。
    • イ 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
      (注) 「建築基準法に規定する大規模の修繕又は大規模の模様替え」とは、家屋の壁(建築物の構造上重要でない間仕切壁を除きます。)、柱(間柱を除きます。)、 床(最下階の床を除きます。)、はり、屋根又は階段(屋外階段を除きます。)のいずれか一以上について行う過半の修繕・模様替えの工事をいいます。
    • ロ マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事(イに該当するものを除きます。)
    • ハ 家屋(マンションなどの区分所有建物にあっては、その人が区分所有する部分に限ります。)のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事(イ及びロに該当するものを除きます。)
    • ニ 建築基準法施行令の構造強度等に関する規定又は地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事(イ~ハに該当するものを除き、その増改築等をした部分を平成14年4月1日以後に居住の用に供した場合に限ります。)
    • ホ 一定のバリアフリー改修工事(イ~ニに該当するものを除きます。その増改築等をした部分を平成19年4月1日以後に居住の用に供した場合に限ります。)
    • ヘ 一定の省エネ改修工事(イ~ホに該当するものを除きます。その増改築等をした部分を平成20年4月1日以後の居住の用に供した場合に限ります。)
  • (3) 増改築等の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
    なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合には、主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
  • (4) この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。
  • (5) 増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住用に供するものであること。

     (注)この場合の床面積の判断は、次のとおりです。


    • 1 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
    • 2 マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
    • 3 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
    • 4 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
      しかし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する区画の床面積によって判断します。
  • (6) その工事費用の額が100万円を超えており、その2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
  • (7) 増改築等のための10年以上にわたり分割して返済する方法になっている一定の借入金又は債務があること。
    一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公 社、建設業者などに対する債務です。しかし、勤務先からの借入金の場合には、無利子又は1%に満たない利率による借入金は、この特別控除の対象となる借入 金には該当しません。また、親族や知人からの借入金も同様に該当しません。
  • (8)  居住の用に供した年とその前後2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3、35条、36 条の2、36条の5、37条の5若しくは37条の9の2又は旧租税特別措置法36条の2若しくは36条の5)の適用を受けていないこと。

3 住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額の計算方法

 住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅ローン等の年末残高の合計額(増改築等の工事費用の額が住宅ローン等の年末残高の合計額よりも少ないとき は、その少ない金額。以下「年末残高等」といいます。)を基に、居住の用に供した年分の計算方法により算出します(100円未満の端数金額は切り捨てま す。)。


居住の用に供した年 控除 期間 各年の控除額の計算 (控除限度額)
平成11年1月1日から
平成13年6月30日まで
(注)平成11年1月1日から平成11年3月31日までの間に入居し、6年の控除期間を選択した場合を除く
15年 1~6年目
年末残高等×1%
(50万円)
7~11年目
年末残高等×0.75%
(37万5千円)
12~15年目
年末残高等×0.5%
(25万円)
平成13年7月1日から
平成16年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(50万円)
   
平成17年1月1日から
平成17年12月31日まで
10年 1~8年目
年末残高等×1%
(40万円)
9~10年目
年末残高等×0.5%
(20万円)
 
平成18年1月1日から
平成18年12月31日まで
10年 1~7年目
年末残高等×1%
(30万円)
8~10年目
年末残高等×0.5%
(15万円)
 
平成19年1月1日から
平成19年12月31日まで
(注)控除期間について10年又は15年のいずれかを選択
10年 1~6年目
年末残高等×1%
(25万円)
7~10年目
年末残高等×0.5%
(12万5千円)
 
15年 1~10年目
年末残高等×0.6%
(15万円)
11~15年目
年末残高等×0.4%
(10万円)
 
平成20年1月1日から
平成20年12月31日まで
(注)控除期間について10年又は15年のいずれかを選択
10年 1~6年目
年末残高等×1%
(20万円)
7~10年目
年末残高等×0.5%
(10万円)
 
15年 1~10年目
年末残高等×0.6%
(12万円)
11~15年目
年末残高等×0.4%
(8万円)
 
平成21年1月1日から
平成22年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(50万円)
   
平成23年1月1日から
平成23年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(40万円)
   
平成24年1月1日から
平成24年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(30万円)
   
平成25年1月1日から
平成25年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(20万円)
   

4 住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続

 住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる書類を添付して、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出する必要があります。
なお、給与所得者は、確定申告をした年分の翌年以降の年分については年末調整でこの特別控除の適用を受けることができます。


  • (1) 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
    (注)連帯債務がある場合には、「(付表)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」も必要です。
  • (2) 住民票の写し
  • (3) 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合は、そのすべての証明書)
  • (4) 上記2(2)イの工事の場合は、その工事に係る建築確認済証の写し、検査済証の写し又は増改築等工事証明書
    上記2(2)ロからヘまでの工事の場合は、その工事に係る増改築等工事証明書
  • (5) 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し等で、増改築等をした年月日、その費用の額及び増改築等をした家屋の床面積を明らかにする書類
  • (6) 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票

5 注意事項

  • (1) 平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合は、控除期間について10年又は15年のいずれかを選択することとなっています。
    この選択により、10年又は15年のいずれかの控除期間を適用して確定申告書を提出した場合には、その後においても、その選択し適用した控除期間を適用することになり、選択替えはできませんのでご注意ください。
  • (2) バリアフリー改修工事や省エネ改修工事を含む増改築等をした場合で、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けられる場合の要件にも該当する方は、住宅借入金等特別控除又は特定増改築等借入金等特別控除のいずれかの選択適用となります。
    この選択により、住宅借入金等特別控除を適用して確定申告書を提出した場合には、その後においても、その選択し適用した住宅借入金等特別控除を適用することになり、選択替えはできませんのでご注意ください。
    なお、住宅借入金等特別控除を適用しなかった場合も同様です。

(措法41、41の2、41の2の2、措令26、措規18の21、措通41-23、41・41の3の2共-1、平21改正法附則33、平20改正措令附則33)