税理士紹介Q&A

借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)

[平成21年4月1日現在法令等]


1 概要

 特定増改築等住宅借入金等特別控除とは、居住者が住宅ローン等を利用して自己が所有している居住用家屋のバリアフリー改修工事や省エネ改修工事を 含む増改築等(以下「特定の増改築等」といいます。)をした場合で一定の要件に当てはまるときに、その特定の増改築等に係る住宅ローン等の年末残高の合計 額等を基として計算した金額を、その増改築等をした部分を居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。
このコードでは、「特定の増改築等」のうち、省エネ改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用要件等について説明します。
なお、特定の増改築等をした方で、増改築等をした場合の住宅借入金等特別控除の適用要件にも該当している方は、いずれかの選択適用となります。
また、省エネ改修工事について住宅特定改修特別税額控除の適用要件にも該当している方は、これらの控除のいずれか一つの選択適用となります。


2 省エネ改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用要件

 居住者が一定の省エネ改修工事を行った場合で、特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次のすべての要件に該当するときです。


  • (1) 自己が所有する家屋について「一定の省エネ改修工事」(断熱改修工事等又は特定断熱改修工事等)を含む増改築等して、平成20年4月1日から平成25年12月31日までの間に居住の用に供していること。
    「一定の省エネ改修工事」とは、以下に掲げる工事で、対象となる工事であることについて、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機 関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築法に基づく建築事務所に所属する建築士が発行する増改築等工事証明書により証明されたものに限ります。
    • イ 断熱改修工事等
      居室のすべての窓の改修工事、又はその工事と併せて行う床の断熱工事、天井の断熱工事若しくは壁の断熱工事で、次の(イ)及び(ロ)の要件を満たすもの
      • (イ) 改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上となること。
      • (ロ) 改修後の住宅全体の省エネ性能が改修前から一段階相当以上上がると認められる工事内容であること。
        (注)平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間に居住の用に供した場合は、(ロ)の要件を満たさないものも断熱改修工事等の対象となります。
    • ロ 特定断熱改修工事等
      断熱改修工事等のうち、改修後の住宅全体の省エネ性能が平成11年基準相当となると認められる工事
    • ハ イ又はロの工事と併せて行う一定の修繕・模様替えの工事
  • (2) 断熱改修工事等又は特定断熱改修工事等の費用の額が30万円を超えるものであること。
  • (3) 増改築等の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
    なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合には、主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
  • (4) この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。
  • (5) 増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

     (注)この場合の床面積の判断は、次のとおりです。


    • 1 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
    • 2 マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
    • 3 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
    • 4 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
      しかし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する区画の床面積によって判断します。
  • (6) その工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
  • (7) 増改築等のための5年以上にわたり分割して返済する方法になっている一定の借入金又は債務があること。
    一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公 社、建築業者などに対する債務です。しかし、勤務先からの借入金の場合には、無利子又は1%に満たない利率による借入金は、この特別控除の対象となる借入 金には該当しません。また、親族や知人からの借入金も同様に該当しません。
    (8) 居住の用に供した年とその前後2年ずつの5年間に居住用財産を譲渡した場合、長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3、35条、 36条の2、36条の5、37条の5若しくは37条の9の2又は旧租税特別措置法36条の2若しくは36条の5)を受けていないこと。

3 特定増改築等住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額の計算方法

  • (1) 控除期間は5年間です。
  • (2) 控除額は、イ及びロの合計額(最高12万円)です。
    • イ 増改築等の住宅借入金等の年末残高の合計額のうち、特定断熱改修工事等に要した費用の額の合計額に相当する部分の金額(最高2百万円)の2%
    • ロ 増改築等の住宅借入金等の年末残高の合計額(最高1千万円)からイの年末残高を差し引いた残額の1%
      • (注1)対象となる増改築等の住宅借入金等の年末残高の金額は、居住の用に供している住宅の増改築等の費用に相当する金額が限度です。
      • (注2)算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てます。
      • (注3)特定断熱改修工事等に要した費用の額は、増改築等工事証明書において確認することができます。

4 特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続

 特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けるためには、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる書類を添付して、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出する必要があります。
なお、給与所得者は確定申告をした年分の翌年以降の年分については、年末調整でこの特別控除の適用を受けることができます。


  • (1) 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
    (注)連帯債務がある場合には、「(付表)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」も必要です。
  • (2) 住民票の写し
  • (3) 住宅取得資金等に係る借入金の年末残高等証明書(2ヶ所以上から交付を受けている場合は、そのすべての証明書)
  • (4) 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し等で次のことを明らかにする書類
    • イ 増改築等をした年月日
    • ロ 増改築等に要した費用の額
    • ハ 家屋の床面積が50平方メートル以上であること
  • (5) 増改築等工事証明書
  • (6) 敷地を先行取得している場合
    • イ 敷地の登記事項証明書、売買契約書の写し等で、敷地の購入年月日及び敷地の購入の対価の額を明らかにする書類
    • ロ 建築条件付で購入した敷地の場合は、土地の分譲に係る契約書等で、契約において一定期間内の建築条件が定められていることを明らかにする書類の写し
    • ハ 家屋の増改築等の日前2年以内に購入した敷地の場合
      • (イ) 金融機関、地方公共団体又は貸金業者からの借入金の場合は、家屋の登記事項証明書などで、家屋に抵当権が設定されていることを明らかにする書類
      • (ロ) 上記(イ)以外の借入金の場合は、家屋の登記事項証明書などで、家屋に抵当権が設定されていることを明らかにする書類又は貸付け若しくは譲渡の条件に従って一定期間内に家屋が建築されたことをその譲渡の対価に係る債権を有する者が確認した旨を証する書類
  • (7) 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票

5 注意事項

 省エネ改修工事をした方で、増改築等をした場合の住宅借入金等特別控除の適用要件にも該当している方は、住宅借入金等特別控除又は特定増改築等借入金等特別控除のいずれかの選択適用となります。
この選択により、特定増改築等借入金等特別控除を適用して確定申告書を提出した場合には、その後においても、その選択し適用した特定増改築等借入金等特別控除を適用することになり、選択替えはできませんのでご注意ください。
なお、特定増改築等住宅借入金等特別控除を適用しなかった場合も同様です。


(措法41、41の3の2、措令26の3、措規18の21~18の23の2、措通41-10~12、41・41の3の2共-1、平19改正法附則74、平20改正法附則51、平20改正措令附則33)