勘定奉行クラウドとはどのような会計ソフトなのか?メリット・注意点を紹介

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近年、会計・経理業務を効率化するために会計ソフトを導入する企業が増えています。しかし、会計ソフトは種類が多いため、どれを導入するべきか悩む場合もあるかもしれません。

今回は、印象的なTV-CMでおなじみの勘定奉行クラウドの概要や機能、プラン、費用、メリット、注意点をご紹介します。導入前の参考にしてもらえれば何よりです。

勘定奉行クラウドとは

勘定奉行クラウドとは、OBC(オービックビジネスコンサルタント)が提供するクラウド型の会計ソフトです。取引入力の自動化やリアルタイムな経営状況の可視化、決算・消費税申告の自動作成などの機能を搭載しています。また、金融機関からの入出金データやExcelなどのデータと連携し、クラウド特有の学習機能を活用して伝票起票を自動化することが可能です。

勘定奉行クラウドは、中堅および中小企業向けに提供されており、これまでに累計72万社以上の導入実績があり、会計業務の効率化を実現しています。

参考:OBC/勘定奉行クラウド

なお、会計ソフトがどのようなものかを知りたい場合は、以下記事をご参照ください。

会計ソフトとは?メリット・デメリットやサービス事例を紹介

勘定奉行クラウドの機能

勘定奉行クラウドには、会計業務を効率化するさまざまな機能が提供されています。ここでは、代表的な機能をご紹介します。

基本機能

勘定奉行クラウドの基本機能は、以下のとおりです。

取引入力・自動起票

仕訳伝票の入力を自動化・省力化する機能です。これらの機能により、経理処理がスピーディーになり、人的ミスを防止できます。具体的な機能は、以下のとおりです。

・仕訳伝票入力
・証憑入力・保管
・銀行入出金明細データ取込・入力
・カード利用明細連携
・Excel取込・入力
・仕訳伝票予約登録
・他システムデータ取込
・帳簿入力
・仕訳伝票申請・承認

会計帳票・分析帳票・管理会計帳票

会計情報を視覚的に理解しやすい形で提供する機能です。会計情報を深く理解し、経営分析に活用できます。具体的な機能としては、以下のようなものが挙げられます。

・会計帳票
・分析帳票
・管理会計帳票

決算・消費税申告/納税

決算処理や税務申告を早期化・省力化する機能です。決算や税務申告の作業がスムーズになり、計算書から内訳表までスピーディーに作成できるようになります。

具体的な機能は、以下のとおりです。

・決算報告書
・消費税申告書
・電子申告
・電子納税
・キャッシュ
・フロー計算書
・消費税管理資料
・消費税計算書
・科目別課税対象額集計表
・科目別消費税区分集計表
・消費税区分明細表
・税理士添付書面
・連結会計システムデータ連携
・仕訳伝票ロック
・決算確定
・翌年度繰越

拡張オプション

勘定奉行クラウドの拡張オプションは、企業の事業変化や成長に柔軟に対応でき、必要な機能を容易に追加できる仕組みです。ここでは、おもな拡張オプションをご紹介します。

オリジナル帳票作成

独自の帳票をワンクリックで生成できる機能です。行・列項目の柔軟な設計や非会計情報の組み込みが可能で、企業独自の視点を持った帳票を手軽に作成できます。

証憑の自動読取・データ化(AI-OCRオプション)

AIが証憑に記載された情報を高い精度で読み取り、自動的にデータ化を実現します。このデータを基に仕訳を自動起票できるため、業務完了までの手順を効率的に減らすことが可能です。

証憑のペーパーレス収集

社内の証憑を簡単にペーパーレスで集められる機能です。スマートフォンやPCを利用してどこからでも証憑を提出でき、その際には自動的にタイムスタンプが付与されます。

外貨管理

複数の為替レート管理、外貨建取引入力、外貨管理帳票の作成、月末や期末の為替差損益の自動計上が可能です。外貨管理を会計システムで行うことにより、手間や計算ミスを排除し、効率的な外貨管理が実現できます。

資金繰り・資金予測

日次の資金繰り表やシミュレーションが実施できます。債権債務情報との連携により、将来の資金予測も正確に実施することが可能です。

API&CSV連携

他のシステムやクラウドサービスとデータの連携を自動的に行う機能です。API連携を通じて、あらゆるシステムやクラウドサービスとシームレスに接続できます。他のシステムでもデータが自動的に連携され、業務の効率が向上します。

CSVファイルを用いたデータ連携も自動的に行われ、手作業をかけずに連携作業が完了できる点はメリットです。さらに取引先データや仕訳伝票データを外部システムから受け入れ、または作成する作業が自動化され、CSVファイルを指定のフォルダーに保存するだけで「奉行クラウド自動連携エージェント」が指定のスケジュールに基き奉行クラウドへのデータ受け入れ・作成を自動的に実行できます。

これらの機能により、業務の効率化と生産性向上が期待できるでしょう。ただし、奉行クラウド自動実行エージェントのご利用には、年額39,000円(税抜)からの料金が必要です。

勘定奉行クラウドのプランと料金

勘定奉行クラウドには複数のプランがあり、ビジネスニーズに合わせて選択できます。

各プランの違いは、以下のとおりです。

プラン名月額料金(年額)初期費用仕訳伝票明細件数おもな機能
iEシステム(スモールスタート向け)7,750円~(93,000円~)初年度のみ0円30,000明細まで         Excel取込、入出金明細取込、領収書入力、仕訳伝票/帳票入力、伝票予約登録、仕訳申請/承認、会計帳票、決算報告書、資金繰り表、消費税申告、電子申告
iJシステム(小規模企業向け)11,750円~(141,000円~)     50,000円        100,000明細までiEシステムの全機能
iAシステム(生産性向上を目指す方向け)19,500円~(234,000円~)50,000円        300,000明細までiEシステムの全機能
iBシステム(多角的に会計情報を分析したい方向け)23,500円~(282,000円~)60,000円300,000明細までiEシステムの全機能、予算実績対比表、比較予算、経営分析、部門グループ
iSシステム(管理会計を実施したい方向け)28,000円~(336,000円~)70,000円        300,000明細まで         iBシステムの全機能、部門別損益把握、伝票区分で集計、自由な科目体系、自由な部門体系

なお、大企業向けの「奉行V ERPクラウド」「奉行クラウド Group Shared Model」「勘定奉行クラウド Global Edition」というプランも用意されているが、料金は別途見積りが必要です。

勘定奉行クラウドを導入する4つのメリット

勘定奉行クラウドを導入することによって、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか?ここでは、企業が勘定奉行クラウドを導入することによって得られるメリットを4つご紹介します。

メリット1.会計業務の効率化

勘定奉行クラウドを導入することで、会計業務における業務負担を軽減し、効率化を実現できます。取引入力の自動化や、経営状況のリアルタイム確認などの機能を活用することにより、会計業務の時間を大幅に削減することが可能です。

メリット2.セキュリティ体制の強化

勘定奉行クラウドは、万全のセキュリティ体制が整っており、運用管理・自動更新で負担を軽減できます。また、近年はサイバー攻撃が増えているため、情報漏洩などのリスクを減らせる点もメリットです。

メリット3.税理士とのデータの連携

勘定奉行クラウドでは、税理士とのデータの連携がID付与のみでスムーズにできるため、税理士とのやりとりが必要な業務も円滑に行えます。多くの税理士が使用しているため、新たに顧問税理士と契約するときなども心配が少ないです。

メリット4.場所や時間を選ばず使用可能

勘定奉行クラウドはクラウド型のサービスなので、時間や場所を選ばずに利用できます。

リモートワークでも会計業務を効率化できるのは大きなメリットです。

勘定奉行クラウドを導入するときの注意点

勘定奉行クラウドを導入する際には、いくつかの注意点があります。代表的なものは以下のとおりです。

オプションの追加費用

勘定奉行クラウドはサブスクリプションサービスのため、使用期間中は月額費用などランニングコストがかかり続けます。また予実管理や手形の管理など、オプションを適用する場合は、追加費用も必要です。

ワークフロー的な承認機能がない

勘定奉行クラウドには、ワークフロー的な承認機能がないため、別のツールに頼らざるを得ない点はデメリットです。会計処理から承認作業まで一気通貫で行いたい場合には、少し不便かもしれません。

ネットワーク接続が必須

勘定奉行クラウドはクラウド型のサービスなので、ネットワークに常につなげておく必要があります。そのため、LANやWi-Fiに接続していない場合は、使用できません。

勘定奉行クラウドを導入して会計業務の効率化を実現

勘定奉行クラウドは、会計ソフトの中でも長い歴史を持つ老舗といえるサービスです。利用者も多く、会計業務を効率化する機能が一通り提供されているため、はじめての導入でも安心でしょう。

また、すでに勘定奉行クラウドを使っている税理士、会計事務所に依頼することで、さらなる経理・会計業務の最適化が期待できます。税理士への業務依頼や顧問契約を検討している方は、ぜひ税理士紹介ドットコムをご活用ください。

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なお、そのほかの会計ソフトの詳細も、以下の記事で解説しています。ぜひご参照ください。

弥生会計とはどんな会計ソフトなのか?特徴や機能、メリット・デメリットを解説

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この記事の著者

ラチーコ

大手会計ソフトメーカーの記事執筆、原稿ディレクション業務を担当しています。

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