法人は税理士に決算業務だけを依頼するべき?メリット・デメリットを紹介

法人は税理士に決算業務だけを依頼するべき?メリット・デメリットを紹介

企業経営になくてはならない業務のひとつが、決算業務です。決算業務は経理や税制の知識が必要なことに加え、業務量も多く非常に労力がかかります。専門知識を持つ従業員が不在の場合には、コア業務に集中できなくなる可能性が高いです。

そのため、税理士に決算業務だけを依頼するケースが増えています。ただし、顧問契約と比較した場合、メリット・デメリットがあるため、事前に把握しておくべきでしょう。

ここでは、法人が決算業務だけを税理士に依頼するときのメリット・デメリットをご紹介します。

決算業務だけを税理士に依頼する4つのメリット

決算業務だけを税理士に依頼することで、以下4つのメリットが得られます。

・決算業務の負荷を減らせる

・顧問契約よりもコストを削減できる

・決算書の信用度が向上する

・税理士と毎月やりとりする必要がない

それぞれの内容について確認しておきましょう。

メリット1.決算業務の負荷を減らせる

税理士に決算業務を依頼することによって、経営者や従業員が業務を行う必要がなくなるため、大幅に手間を減らせる点がメリットです。

決算業務は経理のスキルが高い人材でなければ適切に対応できません。そのため、社内で対応する場合には、専門スキルをもった人材を採用する必要があります。また、決算の内容を間違えるリスクもあるため、税理士への依頼を検討するべきでしょう。

メリット2.顧問契約よりもコストを削減できる

顧問契約を結ぶ場合、月額数万円の顧問料は発生しますが、決算のみの依頼であれば、費用が割安になります。また、前述したような専門スキルを持つ人材を雇用する必要もありません。

そのため、顧問契約する場合に比べてコスト削減につながる点はメリットです。税理士に決算業務を任せることによって、経営者は本業に集中でき、継続的な人件費の発生も抑えられます。

メリット3.決算報告書の信用度が向上する

税理士に決算業務を依頼することによって、決算報告書の信頼性が高まる点は大きなメリットです。決算報告書に税理士の署名が入ることにより、書類の不備や間違いが減り、税務署も信頼性が高いものだと認識してくれます。金融機関と資金調達の相談をするときなども、非常に心強いでしょう。

また、税理士に決算業務を代行してもらうことによって、税務調査の対象になりにくくなるというメリットもあります。

メリット4.税理士と毎月やりとりする必要がない

決算のみを税理士に依頼した場合は、顧問契約したときのように、毎月の連絡を取る手間が省けます。税務相談や節税の悩みがない場合は、決算のみの依頼で十分なことも多いでしょう。

ただし、帳簿に不備がある場合や会計処理が複雑な場合は、税理士とのやり取りが必要になることもあるため注意は必要です。

法人が決算業務だけを税理士に依頼しないほうがよい4つの理由

一般的な法人は、決算のみの依頼ではデメリットが大きいと思われます。可能であれば毎月の打ち合わせ、もしくは2~3か月に1度の打ち合わせを行うべきでしょう。したがって、法人の場合は、決算のみショットで依頼するよりも、顧問契約したほうがおすすめです。

ここでは、法人が決算業務だけを税理士に依頼しない方がよい理由を4つご紹介します。

理由1.顧問契約ほど節税効果が期待できない

税理士と顧問契約することによって、節税に関するアドバイスやサポートが得られます。しかし、決算のみを依頼する場合、節税対策に関するサポートは限られるため注意が必要です。

また、顧問契約することにより、中長期的な視点から節税対策を取り組めるようになる点もメリットです。そのため、経営を最適化するためにも、法人は税理士と顧問契約したほうがよいでしょう。

理由2.税理士が経営状況を把握しづらい

決算のみショットで依頼すると、税理士が会社の経営状況について詳しく把握できなくなる可能性が高くなります。決算時だけの依頼の場合、税理士とのコミュニケーションが不足するためです。

例えば、経費化できるもの・できないものの認識不足が発生したり、業界ルールを把握できなかったりすることが増えるため、ミスが発生する可能性も高くなります。自社と同じ業界の業務実績が多い税理士と顧問契約できれば、安心して任せられるでしょう。

理由3.資金繰りや経営に関するアドバイスが得にくい

税理士に資金繰りや経営に関するアドバイスを期待する場合は、顧問税理士に依頼するのが得策です。顧問税理士は、事業計画書や資金繰り表の作成代行、面談の練習、融資を受けやすい金融機関の紹介などをしてくれます。

顧問契約している税理士であれば、資金調達を行うべき適切なタイミングを見極められるため、早めに準備に取り組めるでしょう。また、顧問契約がない税理士にアドバイスをしてもらうと、料金が高くなる場合があることに注意が必要です。

理由4.税務調査の対策が十分にできない

税理士に決算だけを依頼すると、税務調査対策のサポートが受けられない可能性があります。顧問契約をしていない場合、税理士が即座に対応できないことがあり、税務調査に臨むための準備不足に陥るケースもあり得るでしょう。

その結果、税務署の担当者から指摘を受け、追徴課税を課せられる可能性が高くなります。

また、場合によっては、決算後の税務調査に対応してもらえないケースもあるため注意が必要です。

なお、税務調査の詳細については、以下記事の内容もご確認ください。

税務調査とは?調査内容や来る確率などを紹介

決算業務だけを税理士に依頼するときの費用相場

決算申告だけを税理士に依頼したときの費用相場は、10~30万円程度だといわれています。

売上規模に応じた、税理士費用の相場は以下の通りです。

売上/年費用相場
500万円以下10万円程度
1,000万円以下15万円程度
3,000万円以下20~35万円程度
5.000万円以下35万円程度→応相談

ただし、上記の表はあくまでも相場であり、売上規模や業態、業種などによって異なるため、

事前に確認が必要です。

また、税理士と顧問契約する場合の報酬相場は、法人であれば月額3~5万円程度が相場です。なお、一般的な税理士の費用相場については、以下記事の内容もあわせてご確認ください。

税理士報酬の相場はいくら?

法人は税理士と顧問契約を締結するのがベスト

税理士に決算業務だけを依頼することは可能です。決算業務の負荷が減り、業務に集中できる点やコストカット、決算報告書の信頼性アップなどのメリットが得られます。

しかし、一般的な法人の場合、決算業務だけを依頼すると、以下のようなデメリットが発生します。

・顧問契約ほど節税効果が期待できない

・税理士が経営状況を把握しづらい

・資金繰りや経営に関するアドバイスが得にくい

・税務調査の対策が十分にできない

そのため、税理士と顧問契約を結び、毎月の打ち合わせ、または2~3か月に1度の打ち合わせを行うのがおすすめです。経営を適正化するためにも、顧問契約を検討してみてはいかがでしょう。

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この記事の著者

ラチーコ

大手会計ソフトメーカーの記事執筆、原稿ディレクション業務を担当しています。

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