経理代行とは?依頼できる業務やメリット・デメリット、費用相場を紹介

経理代行とは?依頼できる業務やメリット・デメリット、費用相場を紹介

従業員数の少ない企業においては、経理部門や専任の担当者が不在のケースも珍しくはありません。そのため近年は、経理代行を導入する企業が増えています。

しかし、経理代行といわれても「どのようなサービスなのかわからない……」という方も多いでしょう。そこで今回は、経理代行がどのようなものなのか、サービス概要や依頼できる業務、メリット・デメリット、費用相場などをご紹介します。

経理代行とは

経理代行とは、経理業務のアウトソーシングやBPOといったサービスです。アウトソーシングは、経理業務の一部、すべてなど、業務を外注化するものをさします。一方、BPOは「Business Process Outsourcing」の略語で、経理業務だけでなく、業務効率化や人材育成といった付加価値を加え、業務機能ごと外注化するものです。

少子高齢化の影響で労働人口が減少傾向にある状況のため、近年大企業、中小企業をはじめ、ベンチャーなどでも利用する企業が増えています。経理代行のサービスは、会計事務所や税理士事務所などをはじめ、経理代行業者などにも依頼することによって、利用できます。

経理代行に依頼できる業務7選

経理代行に依頼できる業務7選

経理代行のサービスを利用する場合、具体的にどのような業務を依頼できるのでしょうか。ここでは、経理代行に依頼できる業務を7つご紹介します。

1.記帳業務

事業に関する取引の履歴を帳簿に記入する記帳代行は、経理代行に依頼できる業務です。

取引における入出金の管理や、仕訳業務を代行してもらえます。また、自社で使用している会計ソフトを活用して、財務諸表の作成してもらうことも可能です。

なお、会計ソフトについては以下の記事で詳しく解説しているため、あわせてご確認ください。

会計ソフトとは?メリット・デメリットやサービス事例を紹介

2.経費精算・給与計算

毎月の経費計算や、給与計算を、経理代行に依頼することも可能です。経費の記帳や領収書の管理などを実施してもらえます。また、毎月の給与計算も依頼できるほか、勤怠管理などを実施してもらえることもあるでしょう。

3.請求関連業務

取引先への請求書発行・送付や入金依頼・確認なども、経理代行に依頼できる業務です。取引先からの入金確認や請求書の保管なども含まれるため、月末・月初の業務負荷を減らし、業務量の平準化を実現できます。

4.年末調整に関する業務

従業員を雇用する企業では、年末調整を実施する必要があります。年末調整は業務量が多いうえに、ミスが許されないため、工数だけではなく、専門的な知識が必要です。

年末調整に関する業務を経理代行に依頼することで、適正に手続きが行え、かつ工数やコスト削減につながります。なお、年末調整の業務代行は、税理士のみ対応が可能なため、社労士などでは対応できません。

年末調整については、以下記事の内容も参考にしてみてください。

年末調整とは?企業側がやるべき業務や税理士に依頼するメリットを紹介

5.決算・確定申告に関する業務

決算や確定申告に関する業務も、年末調整と同様、非常に手間がかかることに加え、高い専門性も必要になるため、経理代行の活用がおすすめです。決算書をはじめ、財務諸表の記入・作成は、普段から記帳や管理ができていないと非常に大変でしょう。

経理代行に依頼して、日々の経理業務を適正に運用できていれば、決算・確定申告にかかる業務がスムーズに進められます。また、税務書類の作成や申告代行も、税理士でなければ対応できません。

確定申告については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

【2023年度(令和5年)版】確定申告の概要や手続きの流れ、変更点を解説!税理士に依頼するメリットなども紹介

6.売掛金・買掛金の管理業務

経理代行では、売掛金や買掛金の管理も依頼できます。スケジュールに則って、売掛金の請求や入金確認、買掛金の支払いを行い、抜け漏れがないように進行、管理を実施してもらうことが可能です。

7.支払い・振り込み業務

支払いや振り込み業務を、銀行の窓口、ネットバンキングで対応してもらうことも可能です。

経理代行が振込先や振り込み内容の登録を行ってくれます。責任者は基本的に決裁のみ実施すればよいため、大幅に工数を削減できるでしょう。

経理代行を依頼するメリット

経理代行を依頼するメリット

経理代行を活用することによって、多くのメリットが得られます。ここでは、経理代行に依頼することによって得られる、おもなメリットについて確認しておきましょう。

コア業務に集中できる

経理代行を導入することによって、経営者や従業員が経理業務を行う必要がなくなるため、コア業務に集中することが可能です。中小企業やベンチャーの場合、経理部門がなく、従業員が片手間に実施するケースも散見されます。しかし、経理代行に依頼すれば、すべて任せられるため、日々の業務負荷を大幅に軽減できるでしょう。

経理業務の適正化を実現できる

経理業務を適正に実施するためには、専門スキルを有するスタッフや税理士の存在が不可欠です。スタッフを育成したり雇用したりするためには、多くの工数とコストが必要なため、実現するのは難しいでしょう。

経理代行に依頼して、日々の支払いや仕訳業務をはじめ、記帳や決算業務を正確に運用できれば、事業の係数を可視化できるため、経営判断のスピードアップにもつながります。

コスト削減につながる

経理代行を導入することにより、経理担当者を雇用したり育成したりする必要がありません。つまり、採用や育成にかかるコストが不要というわけです。また、経理業務を外注化できれば、事務所スペースや機材も不要なため、さらなるコストカットにもつながります。

経理代行に依頼するデメリット

経理代行にはデメリットもあります。事前に内容を確認したうえで、依頼の可否を判断するようにしましょう。

依頼できない業務がある

経理代行は、業者によって依頼できない業務もあるため注意が必要です。例えば、資金調達や経営相談など、企業の財務や経営に深く関わる業務は、依頼できない可能性が高いでしょう。

また、投資やM&Aといった資産運用業務なども対象外のケースが多いです。ただし、税理士と顧問契約している業者であれば、対応してもらえることがあります。面談のときに相談してみましょう。

自社に経理ノウハウが貯まりにくい

経理業務を外注化するため、自社内で業務内容を把握しづらくなることも、経理代行に依頼するデメリットです。業務マニュアルなどを作成してもらうこともできますが、社内にスタッフがいないため、ノウハウがなかなか貯まらない可能性は高くなります。

また、実務を完全に外注化している場合、内製化するためには一定の引継ぎ期間が必要です。

経理担当者を自社で育成することも非常に困難なため、経理業務に関する自社のロードマップも考慮したうえで、導入の可否を検討しなくてはいけません。

税務書類の作成や申告代行に対応できない

経理代行の業者によっては、税務署類の作成や申告代行に対応できない場合があります。税務書類の作成や申告代行は、税理士でなければ対応できないためです。したがって、決算や確定申告を代理する際には、あらためて税理士に依頼しなくてはいけないため、二度手間になる可能性があります。

経理代行の費用相場

経理代行の費用は、依頼する業務内容によって異なります。代表的な経理業務を依頼したときの費用相場は、以下の通りです。

・記帳代行:15,000円程度(仕訳数は100程度)

・各種事務作業:月5万円〜(業務内容によって変動)

・決算書の作成:10万円程度(記帳および決算書作成)

・給与計算:900〜2,000円程度/人(従業員数によって変動)

・税金の支払い:ネットバンキング:98〜490円程度/件

銀行窓口:1件1,000〜2,000円程度/件

・年末調整:3,000円程度/人(従業員数によって変動)

なお、BPOに対応している業者であれば、上記の業務をまとめて依頼することも可能です。また、税理士が在籍、顧問契約しているサービスであれば、すべての業務を任せられます。

自社の状況にあったサービスを見極めることが大切

自社の状況にあったサービスを見極めることが大切

経理代行に依頼することによって、自社の経理業務の一部やすべてを任せることが可能です。特にリソースの少ない中小企業やベンチャーは、経理代行を活用することによって、コストカットや生産性の向上につなげやすくなります。繁忙期に入る前に、導入を検討してみてはいかがでしょう。

なお、税理士事務所の中には、経理業務を丸投げできるところもあります。そちらに依頼すれば、申告の代行までワンストップで頼めるため便利です。

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この記事の著者

税理士紹介ドットコム編集部

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